2014年5月31日土曜日

顧客視点が抜けたリフォーム物件

中古住宅を買い取った不動産会社がリフォームして売却するのは良くある話。

今若い世代にはリフォーム済みで購入後に手(費用も)がかからない物件が人気だ。

不動産流通(仲介業)は財閥系大手不動産会社の占有率上昇とともに地元の中小不動産業者は営業環境が厳しくなり、買取転売事業に力を入れている会社も多い。

テレビ番組の影響もあるだろうが中古住宅を購入して自分でリフォームされる方も多い。しかし、リフォームに幾らかかるか分からないし、何処まで直せばよいかも分かりにくいのが中古住宅の現状である。
最近は住宅ローンで修理費用も合わせて借りられるので予算を決めてしまえばそれに見合う物件と予算に応じたリフォームを合わせれば夢は叶うのである。

それでも、やはり面倒なのだろう。
プロ(不動産会社)がリフォームした住宅を見ると気に入ってしまう。
手頃な予算とあれこれ面倒なことは無しで綺麗なマイホームを手に入れられるのが良いのだ。

言わばプラモデルを買って自分で作るより、完成した商品を買う方を選ぶ若者。

そんなブームに乗ってか中古住宅を買い取ってリフォームして売却する不動産会社が増えてきた。
新築分譲住宅を販売するには引き渡し(資本回収)まで長い期間と多額の投下資本、リスクを覚悟しなければならない。
しかし中古住宅(中古マンションも)は手ごろな価格、短い工期、短い資本回収期間で資金の回転率も良い。
我もと不動産業者が参入し、競売物件の落札価格は上がり、任売物件に人気が集中、仕入れ価格が上がり再販時の物件価格も上昇してしまった。

利益を上げたい不動産会社、しかし、東北の震災以後建築費や資材は上昇する一方でリフォーム費用も上昇。何とか工事費を押さえたい不動産会社が取った行動は、ガス工事とガスに関わる設備を無料で工事させる方法。
物件には都市ガス配管が整備され都市ガス用の給湯器やガスコンロが付いていたが、それらをプロパンバスに変更。プロパンガス会社からプロパンガスを購入する条件でプロパンガス会社に工事費と設備品を負担させるのである。給湯器とガスコンロが無料で設置されたその物件には大きなガスボンベが2つ玄関脇に備え付けてある。

あ〜あ、玄関にプロパンガスボンベ!?外観が台無しに。
オマケに購入したお客様は都市ガスより高いプロパンガス料金を払わなければならない。
都市ガスがあるのにわざわざプロパンガスにした家をお客様が気に入るわけが・・・ないだろう。
顧客視点が抜けたリフォーム物件なのだ。
当然、割安感がないとその物件は売れないだろうなぁ。



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